取引のメリット

仮想通貨はビジネスに使えるものでしょうか

仮想通貨はビジネスに使えるものでしょうか
ビットコインに見る自律分散型組織

カンボジアで世界初のデジタル通貨システムを作った日本人が語る金融の近未来

ただ、当時は、転々流通できてセキュリティが高いという技術がなく、やむなく転々流通でない方式、「口座型」(利用者の口座間で振替決済)をやった。Suicaが口座型を真似して、さらにPay PayやLINE Payも真似した。だから、日本の金融業界が効率の悪い口座型になってしまって、転々流通ができなかった責任は私にもあると。私が最初に間違った方式でやって、学者さんの反対を押し切ってやっちゃったので。だからそこを直さなきゃいけないと思っていまして。要するに世直しですよね。それを何とかしなきゃいけないという気持ちは強いです。

詐欺かと思ったカンボジア国立銀行の誘い

―カンボジアの中央銀行(カンボジア国立銀行)からデジタル通貨システムを作って欲しいと言ってきたとき、パッと手を挙げたのは、スタートアップ企業だからこそ出来たのですか。

プノンペン市のカンボジア国立銀行 提供:ソラミツ


プノンペン市のカンボジア国立銀行 提供:ソラミツ

アンコールワットの遺跡を背景に。ソラミツの創業者である武宮氏(右から2人目)と宮沢氏(左から3人目)提供:ソラミツ


アンコールワットの遺跡を背景に。ソラミツの創業者である武宮氏(右から2人目)と宮沢氏(左から3人目)提供:ソラミツ

―最初からグローバルで勝負し、それを成し遂げたのは技術的な裏打ちもあった。

―ソラミツは独自に開発されたブロックチェーン技術「ハイパーレジャーいろは」をオープンソースとして開放し、周辺で利益を上げるというビジネスモデル。従来の日本企業のパターンと違う。

このままでは世界に遅れる日本の金融界

―バコンの話に戻りますが、カンボジアはドルが自国通貨より流通し、中央銀行は困っていた。しかし、バコンを始めると自国通貨の割合のほうが多くなった。

デジタル通貨「バコン」の開始式典であいさつするカンボジア国立銀行のチア・セレイ統括局長 2020/10/28 プノンペン(共同)


デジタル通貨「バコン」の開始式典であいさつするカンボジア国立銀行のチア・セレイ統括局長 2020/10/28 プノンペン(共同)

―カンボジア国立銀行は中国のデジタル人民元に対する危機感もあった?

デジタル通貨「バコン」の使用を呼びかける看板(プノンペン市内)提供:ソラミツ


デジタル通貨「バコン」の使用を呼びかける看板(プノンペン市内)提供:ソラミツ

デジタル人民元の脅威

―これからデジタル人民元をはじめ、各国でデジタル通貨が普及していくと、社会がどう変わっていくと思われますか。

―宮沢さんは日銀のデジタル通貨分科会ラウンドテーブル委員を務めている。日本のデジタル通貨はどの方向が望ましいと思ってらっしゃいますか?

『ソラミツ 世界初の中銀デジタル通貨「バコン」を実現したスタートアップ』(宮沢和正著 日経BP)書影


『ソラミツ 世界初の中銀デジタル通貨「バコン」を実現したスタートアップ』(宮沢和正著 日経BP)書影

ブロックチェーンで世の中はどう変わる?(前編)

左から斉藤賢爾氏、山下雄己氏、蓮村俊彰

左から斉藤賢爾氏、山下雄己氏、蓮村俊彰氏

ユーザー同士が完璧に同じ情報を持ち合える=ブロックチェーン

蓮村:まず、斉藤先生にFINOLABに来ていただけて光栄です。斉藤先生は『これでわかったビットコイン: 生きのこる通貨の条件』(太郎次郎社エディタス)や『ブロックチェーンの衝撃』(日経BP社/共著)などの著作がありますが、いつごろからデジタル通貨の研究を進めているのでしょうか。

斉藤:私は元々、日立ソフト(現・日立ソリューションズ)でエンジニアとしてコンピューターOSの開発に携わっていました。その後2000年から慶応大学SFCに移り、「デジタル通貨」を含む「インターネットと社会」の研究を続けています。

蓮村:そもそもビットコインなどで使われている技術「ブロックチェーン」とは何か。これを斉藤先生に分かりやすく解き明かしていただきたいと思います。ビットコインなどの仮想通貨には、公開取引簿と呼ばれる「過去を含めた全取引の履歴」があって、それをユーザー全員が確認できるのが特徴です。この仕組みを確立しているのがブロックチェーンの技術なのでしょうか?

斉藤:そうですね。世界中で行われている「AさんからBさんにコインをいくら送る」というデジタル上のやりとり一つ一つが、「ブロック」と呼ばれる記録の塊に格納されています。一つのブロックには、「AさんからBさんに何コイン送りました」とデジタル署名された1000個程度の情報が入っていて、それがチェーンのようにどんどん連なっているイメージです。次のブロックの中に、前のブロックの「ハッシュ値」を入れ込むことで、前のブロックの中身がロックされます。

ブロックチェーンのイメージ図

斉藤:銀行や政府が元となる情報を持っていて、そのコピーを配布するような中央集権的な形ではなく、ユーザー同士が同じ情報を持ち合う形で記録の同一性を確保できているのが、ビットコインなどのデジタル通貨の面白いところです。

山下:1カ所にデータが集まっている場合には、もしそこが破壊されたらおしまいですが、ブロックチェーンの場合にはそれぞれのユーザー全員が同じ情報を持っているので、理論的にはネットワークに参加しているコンピューター全てを破壊しないとダウンしない仕組みになっています。これは、一つのビットコイン取引所が破綻してもビットコイン自体は別の取引所を通じて利用され続けていることからも分かります。

蓮村:誰かがその記録にウソを書きこんで、詐欺を行ったりはできないのでしょうか。

斉藤:それを防止するために、デジタル署名や「ハッシュ値」の技術が使われています。ユーザー同士が互いに中身が明らかな情報を持ち合うことで不正防止ができていますし、ユーザー間で記録が完璧に同一だと保証されれば、安心して通貨として使えるわけです。

山下:誰かが記録を書き換えたとしても、他のユーザーはデジタル署名によってその記録が正しいかどうかすぐに確認できるので、改ざんが露呈する仕組みになっています。

斉藤:お互いに同一のデータを持っていることが保証できるので、ブロックチェーンは金融に限らず、さまざまな分野で使える可能性をもっている技術です。

ビットコインのブロックチェーンでは、即時決済ができない

蓮村:では、現時点でのブロックチェーンの問題点を教えてください。

斉藤:いくつものブロックが連なっていく際に、枝分かれしてしまう場合があります。例えば「500ビットコインを保有するAさんは、Bさんに500ビットコインを送った一方、実はCさんにもその同じ500ビットコインを送っていた」という矛盾する二重の情報がブロックチェーン上に発生したとします。この場合、「一番長いチェーンが正しい」という原理があって、どちらかのチェーンは消滅するのですが、それに時間がかかるのです。つまり、「ファイナリティー」と呼ばれる決済完了の判断がすぐにはできず、しかも厳密には永遠にできません。

分岐したブロックチェーン

一番長いブロックチェーンが有効となる

山下:例としてよく出てくるのが「ドローン自動販売機」の話ですね。

斉藤:そうです。例えば、お金を支払った人のところにドローンが来て缶ジュースを落としてくれる自動販売機を開発したとしましょう。スマホからビットコインで支払うと、そのドローンは缶ジュースを落とさないといけないですよね。

蓮村:それだと、缶ジュースを飲みたい時に飲めないですね。

斉藤:実際には、缶ジュースはすぐに落とされるでしょう。事業者はもしかしたらジュース1本分の損はするかもしれないけれど、そのリスクを取った方が商売としては成り立ちますから。誰かが「缶ジュースを飲みたい」と思ってから、手元に落ちてくるまでに1時間かかったら、その商売は成立しません。ですので、ブロックチェーンの連鎖に入る前にジュースは落としてしまうわけです。

蓮村:これが缶ジュースではなくて、より高額な取引になってくると問題になりますね。

山下:ビットコインのものとは異なる新しいブロックチェーン技術の中には、ファイナリティーが整備されているものもありますね。話は変わりますが、ブロックチェーン上であらゆる資産や契約を扱うことのできるプラットフォーム「イーサリアム」をベースにした自律分散型投資ファンド「The 仮想通貨はビジネスに使えるものでしょうか DAO」が、今年の6月にハッカーからの攻撃を受け、5000万ドル(約52億円)が流出する危機に遭いましたよね。業界が騒然とした事件だったのですが…。

斉藤:イーサリアムは、ビットコインの反省に基づいてつくられたブロックチェーンで、「The DAO」はこのイーサリアムを基盤に、参加者が投資先を決めるという投資信託のようなものです。The DAOにバグがあって犯人に資金が流出し、イーサリアムの通貨価格も暴落しました。その後、開発者によって流出した歴史(ブロックチェーン)ではない「正しい歴史」を伸ばしていくという選択肢が検討され、その「正しい歴史」はコミュニティーの97%の支持を得て可決されました。今回はコミュニティーの高い支持を得られましたが、自律分散型といいつつ、開発コミュニティーやマイナー(コンピューターで新規通貨を“発掘”する人)と呼ばれる存在がゆがんだ歴史を正せるほどの力を持てる可能性があるということです。これは、ある意味中央集権的なのではないかと…。

蓮村:過去の行為を帳消しにできる権力を、開発コミュニティーやマイナーが持てるかもしれないということですね。

斉藤:そうですね。実は分散型システムとしてうまくできていないのではないかということです。例えばEメールの言語も最初は英語しか使えず、英語以外は「暗号」に当たるからやめてくれといわれていました。でも日本の開発者があれこれ試して、JISコードを用いて日本語でも送信できるようになり、今では世界中の言語が使えます。本来技術というものは、いろんな技術者があれこれ試し、その実績に基づいて最適な形に変えていくものだと思います。

印刷や押印といった手段は、全て置き換え可能

蓮村:仮想通貨以外では、どのようにブロックチェーンを応用できるのでしょうか。例えば、私たちが通常何らかの契約をするときは、お互いに書面を2通用意して、それぞれを確認し、印鑑を押して、割り印を押してお互いの間で持ちますよね。このように金融に限らないケースでもブロックチェーンの技術が役に立つ、ということでしょうか。

斉藤:契約の話などはまさにそうです。われわれが今まで紙に印刷し、それに押印したりサインをしたりする行為が、全部「デジタル」に置き換わります。今はその真っ最中で、これら全てがブロックチェーンの技術で置き換わるかどうかは分かりませんが、今ある技術の中でブロックチェーンは有力な候補の一つです。

蓮村:山下さんにお聞きしますが、ISIDはこのブロックチェーンの技術を使って、みずほフィナンシャルグループとの実証実験をいち早く行っていますね。

山下:はい。みずほフィナンシャルグループとは、シンジケートローン業務(複数の金融機関が協調して一件の融資を行うこと)を対象とした実証実験を行っています。シンジケートローン業務を選定した理由の一つは、関係当事者が多くフローが複雑であるためです。まだ新しい技術であるブロックチェーンが実際にどこまで業務に適用可能かどうか見極めたいと思っています。その上で、他の業務分野の活用も含めた検討をしていきます。

蓮村:金銭の出納以外の作業も、ブロックチェーンで置き換えができるかもしれないわけですね。

山下:はい。先ほどお話に出た「イーサリアム」というブロックチェーンでは、契約の発行から資産の移転までを行う「スマートコントラクト」という仕組みが実現されています。お金の出し入れだけでなく、これまで通帳と印鑑を用いて確認していた本人確認や、複数の企業間で何度も行っていた取引照合といった作業についても、ブロックチェーンを使うことで自動化できる可能性が高いです。これにより、これまで膨大なコストをかけて行っていた作業を大幅に減らすことができると考えています。

蓮村:ありがとうございます。後編ではより具体的にどういった業種でブロックチェーンが使われていくのか、そして世の中はどう変わっていくのか話を深めていきたいと思います。

新刊:『ブロックチェーン・エコノミクス』 ブロックチェーンは独自通貨を持つ企業国家を生み出す? GLOCOMの専門家にインタビュー

ビットコインに見る自律分散型組織

ビットコインに見る自律分散型組織

ブロックチェーンがもたらす新しい世界観を提示する

高木 :ブロックチェーンやビットコインの技術的な解説やトレンドを説明した本はけっこうあります。通貨がこれからどうなるかというマクロ経済学の視点で語っている方もいます。ですが、もう一歩進んで、このテクノロジーの革新性が今の社会や経済に与える影響については語れる人があまりいませんでした。ですから、そこに挑戦したかったんです。

また、ビットコインへの注目は高くその可能性は広く語られています。しかし、ブロックチェーンの真価はそれだけでなく、様々な業務への応用が想像できます。本書、連載はブロックチェーンの影響を幅広く捉えて新しい世界観を提示できればと考えて書きました

高木 :本書は2月くらいに原稿をまとめていたんですが、そのあとにどんどん新鮮な話題が出てきました。日々いろいろな実証実験が行われていて、新しい発見も多々あります。もちろん、ブロックチェーンでやる意味があるのかを考え直さないといけない事例もありますが、ネタには事欠かないというのが実情です。

また、本書ではブロックチェーンの技術についても解説していますが、既存の書籍だとものすごく詳しい解説書と大雑把な解説書という両極端なものが多いんです。本書はその中間的なレベルで、エンジニアではないが関わる可能性があるという方に向けた内容になっています。ブロックチェーンはよくわからないけど、とりあえず仕組みを知っておきたいという方にもちょうどいいのではないでしょうか。

高木 :ブロックチェーンの応用可能性については議論が始まったばかりで、技術そのものも発展途上です。日本人はわりと答えを求めがちで、ブロックチェーンにしてもこれが役に立つのか、儲かるのかというところに意識が向いています。しかし、その答えはほぼ出ておらず、知恵を絞らなくてはいけない段階です。そこにおもしろさがあります。

知恵の絞り方も、今までの枠組みに囚われていてはいけません。できるだけ幅広い視点を持ち、時に既存の仕組みを完全に壊す必要もあるでしょう。ですから、皆さんと一緒にブロックチェーンの可能性について考えていきたいですね。

【Web3起業家インタビュー】ステーブルコイン「JPYC」の岡部氏に聞いた、日本のWeb3のゆくえ(前編)

MUGENLABO MAGAZINE では、ブロックチェーン技術をもとにした NFT や 仮想通貨をはじめとした、いわゆる Web3 ビジネスの起業家にシリーズで話を伺います。Web3 についてはまだバズワードな要素も含んでいるため、人によってはその定義や理解も微妙に異なりますが、敢えて、いろいろな方々の話を伺うことで、その輪郭を明らかにしていこうと考えました。1回目を飾るのは、日本円と連動する日本初のステーブルコイン「JPYC」を発行・運営する JPYC の岡部典孝さんです。法律の制約から、日常的に使える暗号資産が実現するまでにはまだ少し時間がかりそうですが、金融庁や日銀などとも密に連携しながら、法制度の観点からも社会に受けられる暗号資産の開発に日夜奮闘されています。

日本円ステーブルコイン「JPYC」とは

まず、JPYC 仮想通貨はビジネスに使えるものでしょうか さんの事業について教えていただけますか。日本円と連動するステーブルコイン(※)の発行体という認識で良いでしょうか?

岡部:はい、そうです。弊社はどんどん発行してシェアを取っていって、日本だと最大手だと思うんですけれども、VCから出資を得てシェアを伸ばして、どんどんキャッシュリッチになっていくので、そのキャッシュを使って利益が上がる事業をしていくっていうのが基本線になっています。なので、デパートと同じようなモデルですよね。デパートがプリペイド発行して商品仕入れて、売れたら利益っていう感じですね。

※ステーブルコイン・・・価格の安定性を実現するように設計された法定通貨担保型の暗号資産。一般的な暗号資産は価格の変動が激しい(ボラティリティが高い)ため、実用性を高めるために設計された。米ドルの価格に連動する USDC(USD 仮想通貨はビジネスに使えるものでしょうか Coin)などが有名。JPYC(JPY Coin)は、日本円の価格に連動するステーブルコインである。

ERC-20(Ethereum Request for Comments:イーサリアムの技術提案)を使ったステーブルコインという、クリプト全般の世界で言うと若干ユニークな存在だと思いますが、ステーブルコイン、特に日本円と連携する部分はどのような背景からそのようにされたのでしょうか?

岡部:元々、前職(編注:リアルワールドゲームス)で「アルクコイン」っていう、歩いてもらえる健康コインみたいな企画をしていたんですけれども、それでお茶が飲めたりスニーカーが買えたりするっていう世界を実現したかったんですね。ただやっぱり日本円と紐付いたコインがないと、実際に受け取る側もリスクですし、税金計算とかは価格が変動するコインでやっちゃうと、もうめちゃくちゃ面倒くさくなる訳です。

JPYC の Web 仮想通貨はビジネスに使えるものでしょうか サイト

ERC20でステーブルできるというのはどのようなロジックなのでしょうか?

岡部:一般的なステーブルコインと JPYC のロジックってちょっと違っていて、一般的なステーブルコインはあくまで日本円からステーブルコインにすると、ステーブルコインを受け取ってまた日本円に戻せるみたいな、相互の交換ができるっていうことをもって価値を担保しているのが通常です。

ただ大体1円に近いところでは二次流通も含めて価値が認められますよねと思っていて、金券ショップで VISA 仮想通貨はビジネスに使えるものでしょうか の商品券が99%で売られてますみたいな、そういう世界観は十分実現できると思うし、日常の取引だったらそれで十分だろうっていう風にも思ってるんで、今の法律上できる最大限がそこだってことですね。今後ステーブルコイン用の法律ができると思うんですけれども、その時に正式に1円がキープできればいいなと思ってます。

そうすると、実社会でモノを売買したりサービスを買ったりする部分で、法定通貨の日本円の代替にできる世界が実現できるのでしょうか。他の暗号資産との交換はできますか?

岡部:まずビットコインとかイーサリアムからJPYCっていう、JPYCを買う方向は今の法律でもできるので、弊社で承ってます。時価のビットコイン、1万円分のビットコインを受け取って1万分のJPYCを渡すってことは弊社でやっています。

「JPYC代理購入」の開始を伝える松屋銀座のWebサイト。2022年11月までの実験的なものだ。

岡部氏が考える Web3 の可能性

Web3は、なぜ今こんなに話題になっているのでしょうか? また、Web3が浸透することで新たに実現可能なビジネスはどのようなものだと考えられますか?

岡部:今までは株式会社のような形で、会社が資本を調達し、働いた人に給料払うっていう、そういうモデルだったわけですけれども、これがWeb3の世界観ですと、プロジェクト、場合によっては DAO(分散型自立組織)だったり会社だったりするんですけど、そのプロジェクトがトークンを発行して、そのトークンを貢献した人に配ったりしてですね、株式会社だったらストックオプションっていうと役職者とか一部の人じゃないともらえなかったんですけれども、たとえば初期に貢献してくれたファンの方とか、そういう多くの方を巻き込んでスタートできる。これはパーミッションレスっていうブロックチェーンの性質と合わさって、非常にスピードが出るっていうのが分かってきたんですね。資本主義の前提である株式会社というのを、数百年ぶりにアップデートするかもしれないっていう仕組みで、最近期待感が出ています。

「Axie Infinity」のように、ゲームをプレイして稼げるようなサービスが日本からもそのうち出てきて、フィリピンなどでは当たり前になりつつある広がり方が日本でも起きてくるのでしょうか?

岡部:それはAxie Infinityだからすごい新しい感じがするんですけど、ちょっと前の日本でも、たとえば遊戯王カードとかって売買で結構儲けてる人なんかがいてですね。古物商なんかも取り扱ってた訳ですよ。古物商は仕事としてやってるけど、普通のプレイヤーはただのプレイヤーみたいな感じでお金を吸い取られる側になっていた訳ですけれども、その境界が緩やかになっていくわけです。今後は消費者と事業者が、売る人と買う人みたいなのが両方、消費者でもあり事業者でもあるみたいな、そういう構造にどんどんなっていくと思ってます。

「ゲームプレイでお金が稼げることで(Play-to-Earn)、アジアを一世風靡するメタバース「Axie Infinity」

Web3 で日本はどう変わるか? どう変わるべきか?

法整備ですが、そもそも日本政府は対応しきれるのでしょうか?

岡部:結局、進化が早すぎるんですよね。さっき言ったパーミッションレスっていう性質がたぶん世の中の人が思う以上に圧倒的な進化スピードを生むので、後から法律でどうにかしようって言っても、たぶん追い付けないスピードで進化していると思います。

日本人がNFTを普通に使えるようになるのはどれぐらい先になりそうですか?

岡部:実はもう、JPYCが普及した段階で、ほぼそこはクリアになりそうです。実は今でも知識のある人は何とかなるんですね。やっぱりみんな使うようになるっていうには、まだメタバースもそんなに発展してないですし、結局コロナがこの後どうなるか次第で、場合によってはずっとくすぶり続けて、外出できなくて家でずっとやってるみたいになる可能性があって、そうするとまあ一時期のフィリピンみたいに大量に失業した人が出て、このままじゃどうしようってなって、そうするとそこで皆さんメタバースで仕事でもするか、ってなった時に、日本にちゃんと仕事ができる環境が用意されているのか、それとももう日本じゃ駄目なんで国外脱出しましょうってなるのか。今が瀬戸際って感じですね。

そうなると日本国内で、貧富の差がどんどん開いていくようなイメージですか?

岡部:Web3は基本的には貧富の差を縮める方向なんです。今までは資本主義なわけですから、それがいい悪いは別にして、最初に会社って株主のものですよね。だから従業員の満足度とかよりも株主にちゃんと歓迎されることが重要であるっていう話なわけです。

Web3の波に乗れない大企業が今後衰退する可能性も出てくるのでしょうか?

岡部:もう既に時価総額ベースで言うと日本の企業って世界ではほとんど上位にいなくて、トヨタがかろうじて残ってるかどうか、それすらどうかっていうところになってますんで、今のやり方だと全く話にならないというのは分かっている。かといって日本から会社が全部出て行っちゃうと、それもまた空洞化して結局雇用がないということになってしまうので、どの道ほぼほぼ詰んでいるという状態なので(笑

ナイキは2021年12月、NFT スタートアップ RTFKT の買収を発表した。(ナイキの Web サイト) アディダスのNFT情報サイト「Into the Metaverse」では、gmoney、PUNKS Comic、Bored Ape Yacht Club といった NFT スタートアップとの提携・協業が発表されている。

野村グループ若手社員に聞く「分かったつもりにさせない金融トレンド解説」Vol.1 フィンテック

野村グループ若手社員に聞く「分かったつもりにさせない金融トレンド解説」Vol.1 フィンテックのイメージ

フィンテックで変わる4つの金融サービス

※イラストレーション=寺内尭

ビットコインとは「世界中に安く送金できる」のも魅力です。

野村ホールディングス 金融イノベーション推進支援室 課長代理 池田寛人のイメージ

なるほど。証券会社が資金調達者と個人投資家を「繋ぐ」機能を果たしてくれないと、企業は次なる大きな成長のための資金調達ができない。経済のために重要な役割を担っているのですね。証券会社は投資家だけではなく、資金調達者のサポートもしているわけですね。

その通りです。上場するためには、ある程度の成功を先にしなければいけないし、お金も時間も労力もかかります。それに比べると、クラウドファンディングは、「安くて快適に使える」資金調達分野のフィンテックと言えますね。
「繋ぐ」フィンテックには、仮想通貨を使った「ICO(Initial Coin Offering)」というものも登場し、大きな注目を集めています。

<ICO> ICO企業やプロジェクトが独自に発行する仮想通貨を使って、投資家から資金を集める仕組み。株式を証券取引所に上場して資金調達するIPO(Initial Public Offering)に対し、ICOは「仮想通貨のIPO」と言われる。

Promoted by 野村證券 写真=小田駿一 構成=嶺竜一 イラストレーション=寺内尭

「Forbes JAPAN web」2017.9.29 配信記事より転載

キャッシュレスの次はカードレス―指輪型端末やカードのないクレジットカードも登場のイメージ

キャッシュレスの次はカードレス―指輪型端末やカードのないクレジットカードも登場

代替肉のさらにその先へ―研究進む“培養肉”とは? 食料不足や環境問題の課題解決にのイメージ

代替肉のさらにその先へ―研究進む“培養肉”とは? 食料不足や環境問題の課題解決に

会議進行だけじゃない! ビジネススキルを高める「ファシリテーション力」とはのイメージ

会議進行だけじゃない! ビジネススキルを高める「ファシリテーション力」とは

プロに聞いた「失敗しないマイホーム購入」のコツとは?のイメージ

プロに聞いた「失敗しないマイホーム購入」のコツとは?

東証上場企業の約3割が導入するストックオプションとは。従業員持株会などとともに解説のイメージ

東証上場企業の約3割が導入するストックオプションとは。従業員持株会などとともに解説

あなたへのおすすめ

2022年は何を始める? 資産運用のヒントになる厳選記事5選のイメージ

2022年は何を始める? 資産運用のヒントになる厳選記事5選

年金運用が37兆円超えの黒字で過去最高額に【年金の基本的な運営方法を解説】のイメージ

年金運用が37兆円超えの黒字で過去最高額に【年金の基本的な運営方法を解説】

正しく理解できている? 「日経平均株価」と「TOPIX」のイメージ

正しく理解できている? 「日経平均株価」と「TOPIX」

実は身近だった「国債」――購入者の約半数は20代~40代のイメージ

実は身近だった「国債」――購入者の約半数は20代~40代

悪いインフレ? 生活にも影響する「スタグフレーション」とはのイメージ

悪いインフレ? 生活にも影響する「スタグフレーション」とは

マネー 資産形成・運用 仮想通貨はビジネスに使えるものでしょうか お金の教養 金融トレンド NISA つみたてNISA iDeCo 国内株式 IPO 投資 株式投資 配当金 株主優待 投資信託 積立投資 債券 為替 投資初心者 投資家 ESG 保険 年金 ローン 住宅ローン 税金 節税 預金・貯金 教育費 家計 フィンテック キャッシュレス 電子マネー 昇給 ふるさと納税 分散投資 ビジネス ビジネススキル キャリア 出世 働き方 リモートワーク 効率化 チーム ルーティン 副業 起業 経済 経営 マーケティング ビジネス書 テクノロジー 未来予測 サイエンス AI ブロックチェーン IOT 5G 宇宙 医療 IT SDGs サスティナブル DX ヘルステック コミュニケーション サブスクリプション 仮想通貨はビジネスに使えるものでしょうか SNS ライフ ライフプラン 結婚 子育て マイホーム 自動車 共働き 老後 ライフハック 教養 クリエイティブ 常識 ヘルスケア アプリ ファッション 片付け 新型コロナウイルス ニューノーマル 趣味 スポーツ 旅行 ゲーム 食・グルメ アート 記事タイプ インタビュー 偉人・著名人 書籍・ベストセラー 仮想通貨はビジネスに使えるものでしょうか 調査 トレンド 知識・スキルアップ 自分磨き

野村證券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第142号
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

関連記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次
閉じる