初心者必見

ストックオプション制度とは

ストックオプション制度とは
ストック・オプションの発行は、既存の株主の利益に影響を与える資本政策です。株主との調整が必要であり、10%や15%などの一定の上限が設けられていることが一般的です。 後からやり直しが効かないため、付与数を決める際には、給料を決める際と同じように、会社が候補者に期待する貢献度と、候補者が会社に対して主張する貢献度のすり合わせで調整がなされるべきです。ただし、その前提として、そのストック・オプションの価値をお互いが理解していることが重要となります。 ストック・オプションによる経済的なリターンの期待値は将来の時価総額と連動します。例えば、A社とB社がそれぞれ1%のストック・オプションを発行したとしても、会社の将来性によって期待値が異なります。 その意味で、表3は他社事例として参考にはなりますが、どの企業にも当てはまる”正解”ではありません。ビジネスモデルが会社ごとに違うため、資本政策、つまり目指すべき時価総額や上場までの資金調達の規模や回数も会社ごとに異なるのです。その点を理解せずに、他社事例のみを参考に付与数を決めてしてしまうのはお勧めしません。 ストックオプション制度とは 例えば、メルカリが良い例です。新規上場申請のための有価証券報告書からストック・オプションの発行回数を見てみると、新株予約権が第39回まで発行され他社と比較してかなり多いです。また規模に関しても、上場時点で約20%と平均より大きな規模です。
ストック・オプション比率を高めることは、既存株主の持ち株比率の希薄化につながるため、それだけ見ると株主にマイナスの経済効果となります。一方で、採用を強化し、時価総額が2倍、3倍に増加するのであれば、株主の保有する株式価値も大きく上昇します。むしろ歓迎すべき資本政策と言えるでしょう。

採用時ストック・オプション付与の考え方

〔表1 ストック・オプション制度の利用状況〕 ストックオプション制度とは

出典:https://www.plutuscon.jp/reports/119661

〔表2 潜在株式比率〕

出典:https://www.ストックオプション制度とは plutuscon.jp/reports/119661

2.事例調査から見えた1人あたりのストック・オプション付与率の相場

〔表3 調査結果:企業フェーズ毎のストック・オプション付与比率(1人あたり)〕

・①SOを3回以上発行している、②SO比率が8-15%程度、③創業10年以内、④アマテラス取引企業を中心に次世代をリードする業種 という視点から対象企業を選定。
・社外協力者等へのSO付与は集計対象から除外した。
・企業フェーズについては、以下と定義して判断した。
シード :原則、初の外部資金調達
シリーズA:原則、株価が変化しており、調達後企業評価額5億円以上
シリーズB以降のシリーズ上昇:原則、シリーズA以降のラウンドを対象。対象ラウンドの調達前企業 評価額と前回ラウンドの調達後企業評価額の変化率が20%以上

〔表4 企業フェーズ毎のストック・オプション付与比率(一人あたり)の相場〕

3.採用時のストック・オプション付与の考え方

株式会社プルータス・コンサルティンング 林将大氏

ストック・オプションの発行は、既存の株主の利益に影響を与える資本政策です。株主との調整が必要であり、10%や15%などの一定の上限が設けられていることが一般的です。

後からやり直しが効かないため、付与数を決める際には、給料を決める際と同じように、会社が候補者に期待する貢献度と、候補者が会社に対して主張する貢献度のすり合わせで調整がなされるべきです。ただし、その前提として、そのストック・オプションの価値をお互いが理解していることが重要となります。

ストック・オプションによる経済的なリターンの期待値は将来の時価総額と連動します。例えば、A社とB社がそれぞれ1%のストック・オプションを発行したとしても、会社の将来性によって期待値が異なります。

その意味で、表3は他社事例として参考にはなりますが、どの企業にも当てはまる”正解”ではありません。ビジネスモデルが会社ごとに違うため、資本政策、つまり目指すべき時価総額や上場までの資金調達の規模や回数も会社ごとに異なるのです。その点を理解せずに、他社事例のみを参考に付与数を決めてしてしまうのはお勧めしません。

例えば、メルカリが良い例です。新規上場申請のための有価証券報告書からストック・オプションの発行回数を見てみると、新株予約権が第39回まで発行され他社と比較してかなり多いです。また規模に関しても、上場時点で約20%と平均より大きな規模です。
ストック・オプション比率を高めることは、既存株主の持ち株比率の希薄化につながるため、それだけ見ると株主にマイナスの経済効果となります。一方で、採用を強化し、時価総額が2倍、3倍に増加するのであれば、株主の保有する株式価値も大きく上昇します。むしろ歓迎すべき資本政策と言えるでしょう。

アマテラスのお勧めは以下です。
①資本政策を候補者に公開・共有し、時価総額についての目線を合わせる。(この際にはNDA締結をお勧めします。)
②候補者が経営上のどんな課題を解決することで会社がどれだけ成長するのか、定性的・定量的に経営者と候補者(+ベンチャーキャピタル)で目線を合わせる。
③その貢献度に応じて、半年後にストック・オプション付与比率について検討する場を持ちましょうと約束する。
④オファーレターにはストック・オプション付与予定と記載。ただし、詳細付与比率などは〇〇年〇〇月(お勧めは半年後)に協議することとすると付記。

ここでポイントになるのは以下3点です。
①入社時にはストック・オプション付与について約束はするがすぐ出さない。
②資本政策を候補者に見てもらうことで創業メンバーや先に入社した人がどれだけ株式を持っているのか、今後の付与の機会を理解してもらう。
③候補者が何にコミットすることでストック・オプションをもらうのか、を明確にする。

4.ストック・オプション付与時の悩みを解決する『信託型ストック・オプション』

・採用するたびにストック・オプション付与について既存社員とのバランスや、既存株主(VC等)に希薄化の同意を取るプロセスが面倒。
・入社時にストック・オプションを渡したが、全然活躍せず困っている。
・後から入った人が大活躍し、ストック・オプションを付与したいがもう枠がない。

〔信託型ストック・オプションの特徴〕

〔信託型ストック・オプションの更なるメリット〕

5.アフターコロナでストック・オプション付与はどうなるのか?

アマテラスの見解としては、今後もストック・オプション付与総量は10%程度で推移すると考えます。
今後はエンジェル・VC・CVCが増え、スタートアップの資金調達額は増えると思われますが、投資家サイドには希薄化*を抑えたいという思惑があります。また、証券会社もIPO時に公開価格を高くしたいという意向があるため希薄化を避けたい意向があります。
これら主要金融ステークホルダーの思惑が主因でストック・オプション付与比率は増えづらく、結果的にストック・オプション付与総量は現状維持かそれ以下(10%以下)になると見ています。

採用時ストック・オプション付与の考え方

〔表1 ストック・オプション制度の利用状況〕

出典:https://www.plutuscon.jp/reports/119661

〔表2 潜在株式比率〕

出典:https://www.plutuscon.jp/reports/119661

2.事例調査から見えた1人あたりのストック・オプション付与率の相場

〔表3 調査結果:企業フェーズ毎のストック・オプション付与比率(1人あたり)〕

・①SOを3回以上発行している、②SO比率が8-15%程度、③創業10年以内、④アマテラス取引企業を中心に次世代をリードする業種 という視点から対象企業を選定。
・社外協力者等へのSO付与は集計対象から除外した。
・企業フェーズについては、以下と定義して判断した。
シード :原則、初の外部資金調達
シリーズA:原則、株価が変化しており、調達後企業評価額5億円以上
シリーズB以降のシリーズ上昇:原則、シリーズA以降のラウンドを対象。対象ラウンドの調達前企業 評価額と前回ラウンドの調達後企業評価額の変化率が20%以上

〔表4 企業フェーズ毎のストック・オプション付与比率(一人あたり)の相場〕

3.採用時のストック・オプション付与の考え方

株式会社プルータス・コンサルティンング 林将大氏

ストック・オプションの発行は、既存の株主の利益に影響を与える資本政策です。株主との調整が必要であり、10%や15%などの一定の上限が設けられていることが一般的です。

後からやり直しが効かないため、付与数を決める際には、給料を決める際と同じように、会社が候補者に期待する貢献度と、候補者が会社に対して主張する貢献度のすり合わせで調整がなされるべきです。ただし、その前提として、そのストック・オプションの価値をお互いが理解していることが重要となります。

ストック・オプションによる経済的なリターンの期待値は将来の時価総額と連動します。例えば、A社とB社がそれぞれ1%のストック・オプションを発行したとしても、会社の将来性によって期待値が異なります。

その意味で、表3は他社事例として参考にはなりますが、どの企業にも当てはまる”正解”ではありません。ビジネスモデルが会社ごとに違うため、資本政策、つまり目指すべき時価総額や上場までの資金調達の規模や回数も会社ごとに異なるのです。その点を理解せずに、他社事例のみを参考に付与数を決めてしてしまうのはお勧めしません。

例えば、メルカリが良い例です。新規上場申請のための有価証券報告書からストック・オプションの発行回数を見てみると、新株予約権が第39回まで発行され他社と比較してかなり多いです。また規模に関しても、上場時点で約20%と平均より大きな規模です。
ストック・オプション比率を高めることは、既存株主の持ち株比率の希薄化につながるため、それだけ見ると株主にマイナスの経済効果となります。一方で、採用を強化し、時価総額が2倍、3倍に増加するのであれば、株主の保有する株式価値も大きく上昇します。むしろ歓迎すべき資本政策と言えるでしょう。

アマテラスのお勧めは以下です。
①資本政策を候補者に公開・共有し、時価総額についての目線を合わせる。(この際にはNDA締結をお勧めします。)
②候補者が経営上のどんな課題を解決することで会社がどれだけ成長するのか、定性的・定量的に経営者と候補者(+ベンチャーキャピタル)で目線を合わせる。
③その貢献度に応じて、半年後にストック・オプション付与比率について検討する場を持ちましょうと約束する。
④オファーレターにはストック・オプション付与予定と記載。ただし、詳細付与比率などは〇〇年〇〇月(お勧めは半年後)に協議することとすると付記。

ここでポイントになるのは以下3点です。
①入社時にはストック・オプション付与について約束はするがすぐ出さない。
②資本政策を候補者に見てもらうことで創業メンバーや先に入社した人がどれだけ株式を持っているのか、今後の付与の機会を理解してもらう。
③候補者が何にコミットすることでストック・オプションをもらうのか、を明確にする。

4.ストック・オプション付与時の悩みを解決する『信託型ストック・オプション』

・採用するたびにストック・オプション付与について既存社員とのバランスや、既存株主(VC等)に希薄化の同意を取るプロセスが面倒。
・入社時にストック・オプションを渡したが、全然活躍せず困っている。
・後から入った人が大活躍し、ストック・オプションを付与したいがもう枠がない。

〔信託型ストック・オプションの特徴〕

〔信託型ストック・オプションの更なるメリット〕

5.アフターコロナでストック・オプション付与はどうなるのか?

アマテラスの見解としては、今後もストック・オプション付与総量は10%程度で推移すると考えます。
今後はエンジェル・VC・CVCが増え、スタートアップの資金調達額は増えると思われますが、投資家サイドには希薄化*を抑えたいという思惑があります。また、証券会社もIPO時に公開価格を高くしたいという意向があるため希薄化を避けたい意向があります。
これら主要金融ステークホルダーの思惑が主因でストック・オプション付与比率は増えづらく、結果的にストック・オプション付与総量は現状維持かそれ以下(10%以下)になると見ています。

ストックオプションを設計するときに最初に読むnote (随時更新)

スタートアップの生存確率を大きく分ける最重要要素の一つとして、とにかく長く探索を続けられる状態を保つ、ということかと思います。故に、その成功確率を高めるため初期の支出=大半は初期の社員への給与を可能な限り下げつつ、手元現金を長く持たせることが重要になります。ただ、当然(その会社の多くの株式を持つファウンダーを除いては)単に給与が安いだけでは受け入れられないので、その分SO(もしくは場合によっては生株)を付与することで、成功したときのアップサイドをシェアし、高くない給与水準を納得感を持って受け入れてもらうわけです。

なお、やや古い資料ですが日本の上場企業を対象としてストックオプションと業績の関係について分析した研究としては以下があります。
・ストック・オプションと企業パフォーマンス (日本政策投資銀行 ストックオプション制度とは 設備投資研究所)

4. ストックオプションの類型

ストックオプションの類型

また、INITIALが2022年2月に公開したJapan Startup Finance 2021のp.15-19には、「ストック・オプション きほんのき」と題してストックオプションに係る税制の基本、税制適格ストックオプションの要件、ストックオプションの活用事例(エクサウィザーズ社)などがコンパクトにまとまっています。

スタートアップで活用されるSO(Japan Startup Finance 2021)

5. ストックオプション設計時のポイント

5-1. 全体方針の検討

事業面:

自社の成長フェーズ (e.g. すでにPMFしているか)

市場の競争環境 (e.g. Winner takes allな市場か)

組織面:

目指している組織文化 (e.g. 競争的か、協調的か。何をもって社員のモチベーションを高めたいか)ストックオプション制度とは

Exit時に想定する経営チーム/組織の規模 (e.g. 労働集約的な事業かどうか、経営幹部(C Suite)をどの程度採用する必要があるか等)

資本政策:

「創業者の視点」という意味で参考になるのは、SmartHRの創業者 宮田さん、LayerXの福島さん、そして自社のストックオプションの詳細を公表して話題となったカウシェの門奈さんの鼎談です。個人的に、宮田さんが提案している「業績ノックアウト条項付きのストックオプションを用いて発行枠を最大20%に拡げる…と言うのは、投資家・役職員の利害のバランスを取る非常に面白いアイデアだと思いました。

SmartHRが初期に発行した2回の無償の税制適格SOは、退職すると失効するものでした。でも途中で、半分は退職後も権利を保持できるように変更したんです。なんでそうしたかというと、そのタイミングで元々あった会社の計画を、より長期目線に引き直したから。(宮田さん)

5〜7年くらいでマザーズに上場するケースの方が多いので、(経営者としては)正直、そのくらいの期間は在籍して貢献して欲しいという気持ちもあります。今のアメリカのように上場までの期間が10年を超えるケースが普通で、さらにそれが伸び続けているような状態に日本もなってくると、SOもそれに合った形に自然となっていくのかなと。(福島さん)

SOを発行する意義はリスクを取ってくれた人たちと成功を分かち合うことだと考えているので、LayerXでは今のところは入社する正社員全員に配っています。もっと人数が増えた時にこのポリシーを変える必要が出てくるかもしれませんが、少なくとも今のフェーズでリスクを取ってくれた人には報いたいと思っていて。(福島さん)

これから未上場で巨大化するスタートアップが増えていくと、今の日本の(発行済み株式総数における)SO比率のスタンダードである10%は、従業員に配るには少な過ぎるんじゃないかなと。これでは大成功した時に、創業者とVCだけが儲かり過ぎる。(宮田さん)

続いて「投資家(VC)の視点」としては、グロービスキャピタルパートナーズの高宮さんへのインタビューが、たいへん多面的で参考になります。

▽ストックオプションのインセンティブの3つの目的
①今までの働きに報いる。
②これからの働きに期待したインセンティブ。
③自社の年収と前職、市場価値に乖離がある人に対する調整。

ストックオプション付与の傾斜は“フェア”にしてください。何をもって“フェア”かはまさに前述の思想によるところですが、いずれにせよ上場時にはオープンになりますし、隠していても案外バレるものなので、説明がつくように制度化しておく必要があります。

制度化というと難しい印象を持ちますが、定量的・定性的の両面から方法論はいくらでもあります。例えば、定量的に制度化する計算式の例として「職位×在籍年数」や「職位×毎年の人事評価」など、現在の会社の人事制度に基づいた制度をいくらでも組み立てることが可能です。
定性的な部分は評価項目になめ幅を入れればいいのです。
期待値のなめ幅も残し明確化します。制度化の計算式の例として挙げた「職位×在籍年数」や「職位×毎年の人事評価」に加えて、「ビジョン体現度」や「メインロール以外の貢献度」などを入れておけばいいのです。

しかし、日本のストックオプション仕組みは皆さんが幻想を抱いているほど美味しいものではありません。前述の通り、メンバーに気楽にばら撒くものでもありませんし、アメリカだとそのベンチャーを辞めても在籍年数に応じてストックオプションを持ち去ることができますが、日本だと消えてしまうことがスタンダードです。また、行使条件も、米国だと未上場時点でも行使して、さらに売却することもできることが多いですが、日本だと上場しないと行使も売却もできません。自分ががっちりコミットして成果を出した時、ハイリスク・ハイリターンとして得ることができるキャピタルゲインと考えてください。

最後に「従業員(転職者)の視点」としては、前出の10X 山田さんの記事を紹介します。本稿の趣旨とは異なりますが、スタートアップへの転職を考えるている方にとって、入社時に確認したい項目のチェックリストとしても大変有用だと思います。

何より最初の1歩としては、経営者が「SOを付与している目的」を確認することが一番重要です。なぜ重要か、と言うと、特にスタートアップはアーリーであればアーリーであるほど、未来に対する不確実性が高いためです。

次に重要になるのは、会社の成長の速度と高さと中計です。もちろんこのターゲット自体は目指した通りになるかはわかりませんが、経営者や会社全体がどこを目指しているかで、例えば同じ「SO 0.1%」の持つ意味も大きく変わりますので、この点は確認しておくべきです。

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